牡蠣から始める東海岸
食べ物である前に、水の履歴である。
バージニア東海岸を旅するとき、牡蠣を単なる食事として扱うのは惜しい。 牡蠣は、土地の説明である。どの水で育ったか。どの塩を吸ったか。 大西洋側か、チェサピーク湾側か。浅い水路か、入り江か。潮が強い場所か、穏やかな湾か。 牡蠣は、言葉より先に、水の性格を舌に伝えます。
バージニアは、牡蠣と沿岸文化を旅の軸にできる州です。 東海岸では、チンコティーグ、ウィリスワーフ、マチポンゴ、ケープチャールズ、オナンコック、タンジア島を、 牡蠣と水夫文化の視点から読み直すことができます。
東海岸は細長い土地です。東に大西洋、西にチェサピーク湾があります。 その間には、農地、湿地、水路、小さな町、港、橋、フェリー、漁の仕事があります。 この地理こそ、牡蠣の味をつくります。チンコティーグでは、塩のきいた海の気配が強い。 ウィリスワーフでは、長く続く貝類産業の手仕事がある。 ケープチャールズでは、湾の水辺で牡蠣を食べる時間がある。 オナンコックでは、クリークと港町の静けさが食事を包みます。
日本から来る旅人にとって、牡蠣はわかりやすい入口です。 日本にも牡蠣の産地があります。だからこそ、バージニア東海岸の牡蠣を食べる時、 「アメリカの海鮮」と大きくまとめず、土地の違いを見たい。 甘さ、塩気、身の締まり、後味。その皿の上に、地図があります。